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モジュラーブロックチェーンのあれこれ

〜そもそもビタリックはzkEVMをL1に取り込もうとしてるよ〜
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TaniguchiAkira
(この記事は2023年12月13日時点の情報をもとに記述しています。)

忙しい人向けの結論3行まとめ

  • 様々なチェーンのいいところ取りができるモジュラーブロックチェーンはナウい
  • プロダクトの性質でモノリシックかモジュラーかを選べばいいと思われる
  • RaaSは、個人的にはCalderaがおすすめ(最近Moveがお気に入り #主観)

ことの発端

ポリゴン開発キット、DAレイヤー「Celestia」に対応へ TIAは一時25%超
仮想通貨ポリゴンの開発チームは、Polygon CDKがモジュラー型のブロックチェーンCelestiaに対応することを発表。CelestiaのTIAトークンは前日比19%超上昇した。
ポリゴン開発キット、DAレイヤー「Celestia」に対応へ TIAは一時25%超
朝これを見て思ったことは、「Polygonはんは空気を読むのが上手いでんなぁ」である。
これを「商売上手だな」と思うには、モジュラーブロックチェーンをある程度理解しておく必要がある。

モジュラーブロックチェーンとは

https://usa.visa.com/solutions/crypto/monolithic-vs-modular-blockchain.html
https://usa.visa.com/solutions/crypto/monolithic-vs-modular-blockchain.html
概念。
ブロックチェーンの役割をExecution、Consensus、Data Availability、Settlementに分割し、それらを分業して組み合わせる設計思想。
既存のExecution、Consensus、Data Availability、Settlementが全て備わっているブロックチェーンは「モノリシックブロックチェーン」と呼ばれる。
なおこの概念を提唱したと言われる、Celestia自体もチェーン(Celestia)を開発しており、そのチェーンはData AvailabilityとConsensusのみ提供している。
大容量サーバはData Availabilityレイヤーに、安定した通信環境のサーバはConsensusレイヤーに、計算処理が得意なサーバはExcution レイヤーになるなど、分業することができる。

役割説明

Execution

ノードがトランザクションを受け取って、順番に処理していく、トランザクションを処理する機能

Consensus

トランザクションを取り込むか、取り込んだとして、その順番が妥当であるか、検証する機能
例)Ethereumの場合
1.validatorが次のブロックを作り、ビーコンチェーンに提案する
2.その提案が正しいか、他のvalidatorが投票する
3.正しい場合、ビーコンチェーンからメインチェーンに写す

Data Availability

Consensusの通ったデータを各ノードに伝播させ、保存する機能

Settlement

データが不可逆になる状態を担保する、また不正があった時に証明する機能
例):ethの場合は6分ほどでデータ確定

モノリシックとの比較

https://docs.celestia.org/learn/how-celestia-works/monolithic-vs-modular
https://docs.celestia.org/learn/how-celestia-works/monolithic-vs-modular

メリット

ブロックチェーントリレンマの解決
分散性、スケーリング、セキュリティが高いに越したことはないが、現在の選択肢では、
  • 分散性、セキュリティを得る代わりにスケーリングを犠牲にする(BitCoin、Ethreumなど)
  • スケーリングを得る代わりに、分散性、セキュリティを犠牲にする(承認速度のはやいL1など)
という状況。これを解決できる。

デメリット

  • 複雑
  (運営視点)構築と維持にリソースが割かれてしまう
  (ユーザ・利用業者視点)理解しにくい
  • モジュールが分割されているため、コミュニケーションコストが増加する
なので、
  • シンプルさを優先、トランザクション量が少ない場合:モノリシック
  • そうではない場合:モジュラーを検討
的な感じで良いのではと

モジュラーブロックチェーンの種類

スマートコントラクト型のロールアップ

モジュラーブロックチェーンのうちの一つ。
ArbitrumやStarknet等、今までL2と言われていたものがこれに当たる。
ExecutionをL2が担い、それ以外はL1(Ethereum mainnet等)が担う形
例)Optimisticロールアップを利用するArbitrumの場合
ステップ
レイヤー
詳細
1
Execution
トランザクションをArbitrumなどのL2で発行、トランザクションはシーケンサーに送付され、順に処理される
2
Data Availability
1のL1のコントラクトに投入する
3
Consensus
投入されたタイミングでトランザクションの順番が決まる
4
Consensus
Ethereumのノードがそのデータの検証をする
5
Settlement
シーケンサが正しいか確認する期間を設ける(7日)。異議申し立ての場所はL1のコントラクト。

Sovereign ロールアップ

スマートコントラクト型のロールアップは、L1のコントラクトに処理が依存している。
そのデメリットを解決する手法。
ちなみにL1はCelestiaを利用している。
ステップ
レイヤー
詳細
1
Execution
L2のシーケンサーがトランザクションを受け取る
2
Data Availability
シーケンサーがトランザクションをL1に順次投稿
3
Consensus
L1のノードがトランザクションの順番を決める
4
Settlement
L1に依存していないLight NodeがDA Samplingという手法を使って、証明する

RaaS

Rollup as a Serviceの略。モジュラーブロックチェーンの仕組みを簡単に作成できる。
代表的なものはEclipse、AltLayer、Caldera
今はOptimistic ロールアップに対応している。
ゼロ知識証明はおそらくいずれという形。
名前/レイヤー
Execution
Consensus
Data Availability
Settlement
その他
Eclipse
Solana VMがメイン、EVMも対応
シーケンサーはEclipse製 今後は分散化を検討
Celestia
Ethereumの コントラクト
FTXの出資先 トランザクションが増えてもガス代が増えないAppchainを利用している MetaMask SnapsというカスタマイズされたMetaMaskを使う必要がある
AltLayer
EVM、wasmなど
選択可能。 EigenLayerやEspressoなどのシェアードシーケンサー
Celestiaなどから選べる
Ethereumや Arbitrumなどから選べる
Caldera
EVM、Solana VM、Moveなど
運営
Celestia、EigenDA、EVM全部
EVM全部

参考リンク

いつもありがとうございます。
Monolithic vs. modular blockchain
Learn more about the blockchain trilemma, the essential components of blockchain technology, differences between monolithic and modular blockchains.
Monolithic vs. modular blockchains | Celestia Docs
Comparison between monolithic and modular blockchains.
Monolithic vs. modular blockchains | Celestia Docs
モジュラー型ブロックチェーンの歴史とこれから ~ (旧)Etheruem2.0/ Drivechain/Cosmos/Rollup~
どうもこんにちわ、極度妄想(しなさい)です。ここ一年は個人で技術ブログを書く時間をほとんど取れませんでした。…
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