目的

Wormholeを使って、Ethereum↔Solana間のトークンブリッジができるようにする

手段

Wormholeが用意したNTTというフレームワークを使い、下準備をする。

@wormhole-foundation/wormhole-connectを使い、Dappsを構築する

今回は1の手順を解説する、2はまた後日

用語解説

Wormhole

異なるブロックチェーン間でトークンやデータを転送するためのクロスチェーンプロトコル。ガーディアンネットワークを使用して安全性と信頼性を確保し、ユーザーにシームレスで安全なクロスチェーン体験を提供する。特にDapps開発者にとって有用。

(by Notion AI)

NTT

Native Token Transfersの略。SIerカーストトップの会社のことではない。ブロックチェーン間でトークンを転送するための、オープンソースなフレームワーク。インテグレーターは、NTTを使用するトークンが各チェーン上でどのように動作するかを完全に制御できる。

deployment.json

デプロイしたコントラクトのアドレスやモード情報などのbridgeに必要なデータが記載される。

nttコマンドを実行した後更新されるので、逐一サーバ側に変更点の更新をすることになる。

https://docs.wormhole.com/wormhole/native-token-transfers/overview/system-components

手順

コマンドインストール

まだベータ版なのでやり方は変わる可能性があるが、NTTを扱うためのコマンドが用意されている。

内部Foundry、Bun、Rust、Solanaコマンド、Anchorが利用されているため、事前にそちらのインストールも必要。

shell
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/wormhole-foundation/example-native-token-transfers/cli/cli/install.sh | bash

ntt --version // ここで「1.0.0-beta」などが表示されれば成功

Ethereum側作業

モード選択

まずは状況によってモードを選択する必要がある

詳細はリンク先を参照してほしいが、「Hub and Spoke」と「Burn」の２種類があり、弊社のように、すでにEthreum側にトークンがデプロイされていて、コードが更新不可能な場合は「Hub and Spoke」を選択することになる。

逆に「Burn」の場合はburn、mint関数を実装し、関数の実行権限をNTT側に渡す必要がある。

以下作業は「Hub and Spoke」で進めている場合のもの。

NTTコントラクトデプロイ

まずは下準備として、任意のフォルダで下記コマンドを実行する

shell
// 作業ディレクトリの作成、このタイミングで必要なファイルが揃う
ntt new my-ntt-deployment 
// ディレクトリ移動して作業ディレクトリに移動
cd my-ntt-deployment
// ネットワーク設定、testネットの場合はこう
ntt init Testnet
// 環境変数設定、この秘密鍵を使って、NTT関連の作業をすることになる
export ETH_PRIVATE_KEY=<your-evm-private-key>
// コントラクトのverifyのためのkey設定
export SEPOLIA_SCAN_API_KEY=<your-etherscan-sepolia-api-key>

次にNTT関連のコントラクトのデプロイを行う。今回はSepoliaのみ実行

—latestオプションはコントラクトのバージョンに関係する。2024年7月現在、—latestとすると、0.8.19でコンパイルされてデプロイされる。ちょっと古いな。

—modeは「Hub and Spoke」なので、lockingを指定

—tokenはトークンアドレス

shell
ntt add-chain Sepolia --latest --mode locking --token 0x08A92A99D993F06161B24C2C192E540DC545464b

設定反映

GitHubと同じような感覚で、deployment.jsonの変更をサーバに反映させる必要がある。

今回で言うと、「ntt add-chain」コマンドを実行した結果、deployment.jsonにNTT関連のコントラクトのアドレスや設定情報が反映されたため、それをpushする必要がある。

shell
// ローカルとサーバに設定差異が存在するか確認
ntt status

// サーバの設定をローカルに反映
ntt pull

// ローカルの設定をサーバに反映
ntt push

権限設定

「Burn」モードの場合、トークンコントラクトの権限設定を行う必要があるが、今回は省略。必要な人はここに詳しく載ってあるので、参考にしてください。

Solana側作業

注意：引き続き同じディレクトリで作業するものとする

SPL Token作成

すでにSPL Tokenが存在する場合はこの作業は不要。

Tokenを作成し、bridgeの下準備とする

権限設定

NTTのプログラムIDにSPL Tokenのmint権限を設定する。これはSolanaのモードを「burn」にする際に必要な作業。

shell
// 今回の作業専用の秘密鍵を作成する
solana-keygen grind --starts-with ntt:1 --ignore-case
// PDA作成、この時上のコマンドで作成したjsonファイルのファイル名から「.json」を削除した文字列を指定する必要がある
ntt solana token-authority <your-ntt-program-keypair>
// 権限設定、上記コマンド実行後、DERIVED_PDAのアドレスが発行されるので、それを指定する
spl-token authorize <TOKEN_ADDRESS> mint <DERIVED_PDA>

コントラクトデプロイ

shell
<your-SPL-token>：SPL　Tokenのアドレス
<your-keypair.json>：ガス代を支払うことになるキーのjsonのフルパス
<your-ntt-program-keypair.json>:さっき作ったnttから始まるjsonのフルパス

ntt add-chain Solana --latest --mode burning --token <your-SPL-token> --payer <your-keypair.json> --program-key <your-ntt-program-keypair.json>